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子育て応援「企業人」セミナーin 尼崎 経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス3|公益財団法人兵庫県勤労福祉協会 ひょうご仕事と生活センター

開催日・場所平成24年8月23日・尼崎商工会議所701会議室
基調講演
テーマ 企業の経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス
講演者 株式会社朝日サスティナビリティ・マネジメント代表取締役社長 高田 誠氏
事例発表
司会進行 株式会社朝日サスティナビリティ・マネジメント代表取締役社長 高田 誠氏
パネリスト 株式会社スギモト代表取締役社長 杉本直広氏
山村倉庫株式会社執行役員 髙野まゆみ氏
医療法人中央会尼崎中央病院看護部長 道脇まゆみ氏

 8月23日、尼崎市内の事業所の経営者や人事担当者を対象に「子育て応援『企業人』セミナーin尼崎」が、尼崎商工会議所で開催されました。誰もが働きやすい会社にするにはどうすればいいのか―。その答えを、基調講演とワーク・ライフ・バランス(WLB)の推進に取り組む先進企業の代表者によるパネルディスカッションで探りました。

高田氏
杉本氏
髙野氏
道脇氏
(左から高田氏、杉本氏、髙野氏、道脇氏)

 まず、主催者を代表して尼崎経営者協会専務理事の藤井克祐氏が「尼崎市は働く女性の割合が高いと聞いた。参加者の皆さまには今日の結果を今後の経営戦略に役立てていただきたい」と開会あいさつ。続いて基調講演者として、企業や医療機関の組織づくりをサポートしている株式会社朝日サスティナビリティ・マネジメントの代表取締役社長の高田誠氏が登壇しました。

 高田氏は「経営者、または上司がWLBを推進する目的は一人ひとりに活躍してもらうためと捉えるべき」とした上で、従業員には3つのタイプがあると説明。遊ぶばかりの人、頑張れと言われるから頑張る人、自分を犠牲にしている仕事人間。このような3タイプがいるという前提で、それぞれのタイプの人にメッセージを送ると効果的だと話しました。

 さらに組織としては、例えば時間に制限のある従業員が家でも仕事ができるようにする等、多様な働き方ができる仕組みづくりを提案。そして、従業員の評価はあくまでも働いた時間ではなく、仕事のアウトプット(成果)にすれば、従業員は力を発揮できるし、経営者は期待する成果を得られると述べました。

 基調講演後は、株式会社スギモト代表取締役社長の杉本直広氏、山村倉庫株式会社執行役員・CSR担当の髙野まゆみ氏、特定医療法人中央会尼崎中央病院看護部長の道脇まゆみ氏が加わり、パネルディスカッションを実施。それぞれの事業所がWLBをどう捉え、実行しているのかを紹介しました。

 機械工具の販売を手掛けるスギモトでは、杉本氏が社長に就任した6年前から「社員第一主義」を唱え、徹底した残業削減措置を取ってきました。初めは「そんな簡単に残業を減らせない」と言う社員もいたそうですが、「とにかく効率化を図って早く帰れ」と言い続けたところ、夜10時、11時の退社が当たり前だった社員のほぼ全員が、3年間で午後6時半に帰るようになりました。「残業が減っても売り上げに影響はなかった。結局無駄な動きが多かったのだ」と杉本氏は言います。

 物流業の山村倉庫にとってのWLBは「全ての働く人に優しい職場をつくる」ということです。パートタイマーを含めた全従業員のうち社員は1割強。年齢も10代から70代までさまざまで外国籍の人も多く、社員の仕事は所属する職場の従業員が働きやすい環境づくりです。そして、そんな社員たちが働きやすい環境をつくることが管理職の仕事だとも。社員の声を聞くために相談窓口を設置しており、髙野氏の携帯電話は24時間相談OKだそうです。

 尼崎中央病院は、経費を使って求人広告を出しても看護師が集まらないと悩んでいました。3年前に看護部長に就任した道脇氏は「今いるスタッフの満足度を高めなければ人は集まらないし、病院の評判も上がらない」と、まずは看護師の話を聞き、不満の解消に努めました。その結果、「病院は私たちのために動いてくれる」という信頼関係が生まれ、仕事のモチベーションも上がり「うちの病院は働きやすいよ」と口コミで友達を誘ってくれるようになったそうです。3年で看護師は120人増えました。

 「取り組み中に困難はなかったか」という高田氏の問いに関しては、3者とも「トップの強い理念、思いを伝えることで乗り越えられる」と答えました。

 最後は北条センター長が閉会のあいさつで、「今日のお話の中で"これは頂き"ということがあれば、ぜひ実践していただきたい」と締めくくりました。

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